泣きべそかいてる男の子
2008.10.08
ガラス越しに、小学生が地面に座っているのが見えた。
口が開いたランドセルが落ちている。
そして、教科書やノートが周りに散らばっていた。
Tシャツの後ろに「STAFF」と書いてある男の人が、その男の子に
優しく微笑みかけ去っていった。
この人はいったい誰なのか?
分からないけれどなんとなく、もう戻ってこないような感じがした。
何があったのかは知らないが、とにかくランドセルの中に入っているものが
全部地面に落ちてしまった様子だ。
まだまだ頼りなげな年齢の男の子。
うちの息子と同じくらいの学年だろう。
顔が見えなくても、オロオロしている様子が伝わってくる。
現場は、単線からJRへと乗り継ぎする人でいっぱいの道。
道といっても、駅の構内といった感じ。
ワタシはその駅ビルのエスカレーターを降りてくる途中で、その光景に
出くわした。
そこから地下に降りるエスカレーターには、一度外に出てからでないと
乗ることが出来ない。
なので、その男の子のところを通らなければいけないのだが
その間、この男の子に誰かしら救いの手を差し伸べるだろうと思っていた。
が、誰もかれも皆、素通りしていく。
見もしない。
いや、チラッとは見ているのかもしれない。
でも、どちらにしても、声をかけようとする人はいなかった。
「どうしたの?」
「手伝おうか?」
顔を見ると男の子は半泣き状態で、とても心細そうに感じた。
そして、少々パニックになっていた。
ズボンのベルト通し穴につけている、プラスチックのバネが絡まってしまって
取れないと泣きベソをかいている。
そのバネは、お財布と繋がっていた。
ひとまず、この絡んだものを直してあげよう。
次に、散らばった教科書・ノート・鉛筆・消しゴム・筆箱・下敷き・プリント
学校に持って行くもの一式すべて落ちていたので、拾い集めた。
すべて拾ったか、ちゃんとお財布しまったかを確認して、男の子を見送った。
「ありがとう」
そう言って男の子は、電車の改札方面に歩いていった。
良いことしたな。
なんて、思えなかった。
少しは人の為になったと、気分よく帰りたかった。
でも、なれやしない。
人の無情さに、ただただ悲しさを覚えただけ。
虚しいくらいに。
すべての人がいい人じゃない。
それは知っている。
自分だって、決していい人ではないのだから。
でも、いい人じゃなくても、助けることは出来るんだよ。
そして、いい人じゃなくても、いいことは出来るんだよ。
今日、あの男の子は何を思っただろう。
大人の非情さに、胸を痛めただろうか。
それでも「がんばれ」と、見送る背中にエールを送ったワタシであった。
口が開いたランドセルが落ちている。
そして、教科書やノートが周りに散らばっていた。
Tシャツの後ろに「STAFF」と書いてある男の人が、その男の子に
優しく微笑みかけ去っていった。
この人はいったい誰なのか?
分からないけれどなんとなく、もう戻ってこないような感じがした。
何があったのかは知らないが、とにかくランドセルの中に入っているものが
全部地面に落ちてしまった様子だ。
まだまだ頼りなげな年齢の男の子。
うちの息子と同じくらいの学年だろう。
顔が見えなくても、オロオロしている様子が伝わってくる。
現場は、単線からJRへと乗り継ぎする人でいっぱいの道。
道といっても、駅の構内といった感じ。
ワタシはその駅ビルのエスカレーターを降りてくる途中で、その光景に
出くわした。
そこから地下に降りるエスカレーターには、一度外に出てからでないと
乗ることが出来ない。
なので、その男の子のところを通らなければいけないのだが
その間、この男の子に誰かしら救いの手を差し伸べるだろうと思っていた。
が、誰もかれも皆、素通りしていく。
見もしない。
いや、チラッとは見ているのかもしれない。
でも、どちらにしても、声をかけようとする人はいなかった。
「どうしたの?」
「手伝おうか?」
顔を見ると男の子は半泣き状態で、とても心細そうに感じた。
そして、少々パニックになっていた。
ズボンのベルト通し穴につけている、プラスチックのバネが絡まってしまって
取れないと泣きベソをかいている。
そのバネは、お財布と繋がっていた。
ひとまず、この絡んだものを直してあげよう。
次に、散らばった教科書・ノート・鉛筆・消しゴム・筆箱・下敷き・プリント
学校に持って行くもの一式すべて落ちていたので、拾い集めた。
すべて拾ったか、ちゃんとお財布しまったかを確認して、男の子を見送った。
「ありがとう」
そう言って男の子は、電車の改札方面に歩いていった。
良いことしたな。
なんて、思えなかった。
少しは人の為になったと、気分よく帰りたかった。
でも、なれやしない。
人の無情さに、ただただ悲しさを覚えただけ。
虚しいくらいに。
すべての人がいい人じゃない。
それは知っている。
自分だって、決していい人ではないのだから。
でも、いい人じゃなくても、助けることは出来るんだよ。
そして、いい人じゃなくても、いいことは出来るんだよ。
今日、あの男の子は何を思っただろう。
大人の非情さに、胸を痛めただろうか。
それでも「がんばれ」と、見送る背中にエールを送ったワタシであった。
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